令和2年までは、銀歯といえば”金銀パラジウム合金”でしたが、令和3年の現在では、保険診療で"純チタン"の銀歯「チタンクラウン」が使用できるようになりました。そのほか、平成26年より"プラスチック系(ハイブリッドレジン系)"の「CAD/CAM冠(白いかぶせもの)」が保険診療で使用できるようになっています。
昔から「銀歯は体に良くない」と言われ続けてきましたが、それは素材が"金銀パラジウム合金"だったからです。現在はチタン製の銀歯が使用できるので、昔ほど体に悪いものではなくなりました。
当院で行う保険診療としては、チタン製「チタンクラウン」「レジン前装チタン冠」と、ハイブリットレジン製「CAD/CAM冠」を使い分けます。
今まで使用されてきた銀歯(金銀パラジウム合金製)よりも金属アレルギーが生じにくく、耐久性がUPしています。また、熱伝導性も以前の銀歯よりも優れているため、銀歯の欠点である「歯の神経に対する熱ダメージ」も軽減されます。チタンは硬いというイメージですが、決して硬くなく、噛み合わせの歯を痛める危険性も以前の銀歯よりも低いため安心して使用できます。
当院では、基本的にはCAD/CAM冠を使用しますが、症例に応じてチタンクラウン・レジン前装チタン冠を使用いたします。
CAD/CAM冠はプラスチック系であり、金属を使用していませんので、金属アレルギーの心配がありません。
コンピュータ上でデザインし、専用機械にて製作していることが特徴です。また、色合いが白色のため銀歯よりも審美性に優れます。
CAD/CAMには「クラウンタイプ」と「インレータイプ」があります。使用条件の制限はありますが、適応可能であれば当院でも治療可能です。
①口腔内スキャナーでお口の情報をスキャンして、コンピュータにデータを送信します。
②コンピュータ上でCAD/CAM冠を設計します
③設計後、プラスチックブロックを専用機械で削り出し、CAD/CAM冠が完成します
CAD/CAM冠を製作する際には、通常は粘土のような材料(シリコン製・アルジネート製)を使用して型取り(印象)を行いますが、当院では、最新技術に分類される光学式印象方式である口腔内スキャナーを併用します。これは、お口の中の状態を小型カメラを使用して記録する印象方法です。嘔吐反射のある患者様には特に有効です。
光学式スキャナーで記録したお口のデジタル3D映像です。1本の歯からお口全体まで3Dデータとして記録することができます。これは保険診療でも実施できる治療法です。
3Dデータなのでどの角度からも確認することができます。そのため、通常の型取りでは確認できない噛み合わせの状態まで確認することができます。
歯だけではなく、歯茎や血管(黄色の矢印)まで精密に3Dデータとして記録することができます。